平成26年7月5日

「松尾鉱山跡地十年目の森を訪ねる会」の報告

H26.7.17 理事 佐賀耕太郎

平成26年度の森の再生活動事業として、標記行事を松尾森の再生研究会(代表:高橋秀洋氏)と共催で行いましたので報告します。

この行事は、松尾鉱山跡地で当会による市民参加の植樹活動が始まって今年が十年目になることから上記再生研究会が企画し、今年3月末の松尾鉱山跡地再生の森協議会総会で表明されたもので、当会の平成26年度事業計画と合う部分(植栽区の標識整備等)もあったことから共催としたものです。参加者募集や関係団体への連絡等は再生研究会が担当し、当会は主に現地の準備作業を行いました。

当日の状況等については次のとおりですが、準備作業で何回か現地に通い、元山地区でツキノワグマに遭遇しましたし、オオジシギ、ノビタキ等も確認しました。当地の森林化を願いつつも、草原性野鳥の彼らを愛おしく想う自分に矛盾を覚えながら作業したことを付記しておきます。

1 行事の概要

・日 時 平成26年7月5日(土)10時~12時 (天候:くもり)

・場 所 八幡平市緑が丘 松尾鉱山跡地B堆積場(平成17年度~22年度の植樹区域対象)

・主 催 松尾森の再生研究会と(一社)東北地域環境計画研究会の共催

・後 援 岩手北部森林管理署、岩手県環境保全課、(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構

・参加者 14グループ34人、主催・後援団体関係15人(うち当会内募集分10人)、計49人

2 実施状況

(1)  開会セレモニー

まず、参加者の集合写真を撮影しました。三脚の雲台を固定できず、撮影者が写真に入れなかったのが残念ですが…。

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続いて、主催者を代表して当会由井会長の挨拶、後援団体を代表して岩手北部署山田署長の祝辞のあと、松尾森の再生研究会高橋会長から松尾鉱山の歴史、当該地における森の再生活動の経緯、これまでの成果、今回行事の趣旨、作業手順等が説明されました。

(2)  育樹作業

今回は、旺盛な生育を見せるヤマハンノキやアキグミの剪定を主な作業とし、主催者による作業方法の実演後、配布されたグループ毎の年度別植栽区の資料をもとに、各グループがそれぞれの植栽区を探し当て、ヤマハンノキの陰に細々と生きているナナカマドやミズナラ等に光を当てようと、ノコギリや剪定バサミ等を使い皆熱心に作業しました。通路の刈払い作業に専従したK理事のおかげで移動が円滑にできましたし、そのうち陽も差しはじめ、手がけた箇所の小さな樹木が元気になったようで、気持ちの良い一日となりました。

(3)  閉会

途中休憩もなく取組み、12時過ぎに「作業終了」の声をかけました。

幾分物足りないような様子の方もおられましたが、総じて満足されたようで、ケガもなく良かったと思います。東環研の今秋の活動日(10月4日)を紹介して解散しました。

3 まとめ

立派に成長しつつある樹木(写真参照)との対面に加え、久方ぶりに顔を併せてお互いの息災ぶりを確かめ合うなど、参加者にとって有意義な一日であったと言えるでしょう。

今回は、平成17年度~22年度に植樹した区域を対象としましたが、作業はグループそれぞれのこれまでに手がけた箇所にとどまったようですし、また22年度の区域は少し離れていたことから、そこまで行って作業したグループはなかったように思います。

やり残した箇所はもとより、区域全体の早期森林化を目指す等、これからも継続的に育成作業を実施したいと考えています。

なお、当該活動に毎年参加している公的機関の所属で、今春転勤して来られて今回初めて参加した方が、前任者達の手がけた場所を探し出して熱心に作業したほか、区域全体の状況を視察しておられました。この地を理解する新しい仲間が増えたことをうれしく思います。

4 参加グループ等一覧

グループの名称 参加人数 グループの名称 参加人数
1 岩手北部森林管理署 2 11 昭和土木設計 1
2 岩手県環境保全課 1 12 森林総研森林農地整備センター 2
3 JOGMEC 1 13 ニューはちまんたい 2
4 一休さん 2 14 東野建設工業 2
5 かとうU&Me 1 15 フジタ 2
6 刈屋建設 4 16 松尾採鉱会 3
7 岩大老年ボランティアグループ 3 17 ワシズ・およね会 6
8 きたかみ蔵ぼっこ 2 18 松尾森の再生研究会 1
9 きたやまの熊 2 19 東北環境研 10
10 興林コンサルタンツ 2 49

(東北環境研の参加者)

木村尚史、工藤公也、齋藤宗勝、佐賀耕太郎、渋谷晃太郎、下田直義、西岡祐介、野田坂伸也、

村井 宏、由井正敏(五十音順)の10名 ※村上功氏は上表の「昭和土木設計」に該当。

◎   2014年7月5日  松尾の育樹作業風景

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