中国扎竜(ザーロン)共同研究旅行記 |
「岩手県立大学総合政策学部 教授」 由井 正敏 |
中国水利部松遼流域水資源保護局との共同研究を進める一環として、中国東北部の扎竜湿地のタンチョウ等水鳥の保護を中心とする生態系保全、及び水質・水資源の保護管理について、現地に赴き対象区域の把握、タンチョウ等水鳥、湿地植物群落、水量、水質、気象条件などの社会環境の予備的な現地調査、保護区の管理体制、周辺住民と保護区の関係、汚染防止対策などの社会環境に関する聞き込みを行った。
また、扎竜湿地の水が注ぐ松花江の本流沿いにある吉林市の河川水質及び汚染防止対策、さらに上流支流の嫩江流域にあるサアシンダムとその水源地域の植林状況、長春市の水源である浄月潭ダムと周辺森林を視察した。
その他、長春の松遼流域水資源保護局において、中日水環境技術交流会を開催し湿地保全の技術発表を相互に行うとともに、今後の研究体制について検討した。
研究等の成果概要 |
I.現地視察等の報告 |
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1.中日水環境技術交流会 |
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2.吉林市汚水処理場の視察 |
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3.扎竜湿地の視察 |
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4.サアシンダム及び水源林 |
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5.長春の浄月潭ダム及び森林公園 |
II.考察及び残された課題 |
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1.タンチョウ等水鳥の保護 |
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2.水質等で今後必要な情報 |
共同研究の今後
今回の予備調査は、社団法人東北地域環境計画研究会と松遼流域水資源保護局との協定に基づいて発足した4年間の扎竜湿地保護の共同研究の一環であり、同研究会に所属する岩手県立大学総合政策学部の教官を中心に訪中したものである。しかし、今回の訪中の結果、中国の国家環境保護局、林業部及び水利部の相互の調整不足により、水利部のみで共同研究を推進することは不可能であることが伝えられた。従って、今後は共同研究ではなく個別の課題に応じて随時日本から研究者を派遣し、現地で技術交流を行うこととなった。
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